こんな疑問に答えます。
- 転職して年収が上がった人の割合【意外な結果に…?】
- 転職で年収を上げるための大原則
- 転職で年収が上がった人の交渉術
この記事を書く私はこれまでに3度の転職経験がありますが、最初の転職はさほど年収が変わらなかったものの、2度目、3度目の転職ではそれぞれ約10〜20%年収が増えました。
とくに2度目の転職は未経験の業界・未経験の職種でしたが、それでも年収を上げて転職することができました。
とはいえ、もちろん転職すれば誰でも年収が上がるわけではなく、転職前のキャリアや転職活動の進め方が年収の上下を左右します。
そこでこの記事では、転職で年収を上げるのはどのくらい現実的なことなのか、転職で年収を上げるには企業とどのように交渉するべきか、などについて詳しく解説していきます。
Contents
転職して年収が上がる人の割合
まず最初に、転職することで年収を上げるのはどのくらい現実的に可能なのか、について説明します。
2022年2月21日に放送されたBS-TBS「報道1930」によると、2020年に転職で年収が5%以上増えた人の割合は39.7%。
意外と多いな、と思った人もいるかもしれませんが、他国と比較するとあまり高い数字ではありません。
詳しくは上の動画を観てもらいたいのですが、アメリカ、フランス、中国などの諸外国では転職で5%以上年収が上がる人の割合は75%を超えています。
さらに前職よりも役職が上がり、より規模の大きい会社に転職する人の割合も日本と他の先進国では大きな開きがあります。
このように転職で年収を上げることは十分に可能ではあるのですが、日本では転職することで年収が下がったり、条件面で悪化する人の割合が方が多いです。
転職で年収を上げるための大原則3つ
このように転職すると年収が上がらない人の割合の方が多いですが、以下の大原則に従えば転職で年収を上げることはそれほど難しくありません。
- 今よりも年収が高い業界に転職する
- 今よりも年収が高い職種に転職する
- 今よりも年収が高い会社に転職する
詳しく説明します。
① 年収が高い業界に転職する
転職で年収を上げたければ、給与水準が高い業界(あるいは企業)に転職するのが確実な方法です。
年収は業界と企業ランクによって大きく変わる。一定の年収ゾーンまでは自力で伸ばせるけど、それ以上求めるようになると業界特性や企業の年収レンジに左右されるから転職して上げざるを得ない。同じ職種でも業界や企業ランクを変えただけで数百万単位で年収変わるから常に求人市場を見ておくといいよ。
— moto / 戸塚 俊介 (@moto_recruit) July 23, 2018
求人広告を比較すればすぐに分かるのですが、同じ職種でも業界によって年収には大きな差があります。
たとえば、ITや金融、不動産、コンサルなどの業界は他業種に比べて年収が高い傾向があり、営業などの同じ職種でこれらの業界に転職するだけで年収が大幅に上がる人もザラにいます。
さらに、一つの業界を細分化すると転職で目指すべき業界がより具体的に見えてきます。
金融業界を例にみると、全体の平均年収は約440万円ですが、「投信/投資顧問」の会社では平均年収は648万円です。
② 年収が高い職種に転職する
最近注目されている「軸ずらし転職」を職種に当てはめて年収UPする方法もあります。
「軸ずらし転職」発案者のmotoさん(転職業界では有名な方)もこの方法と前述した「①年収が高い業界に転職」を組み合わせて転職を繰り返すことで、20代前半から30代前半までの間に年収240万→1,000万まで伸ばしています。
軸ずらし転職といってもイメージが付きづらいと思うので、以下の事例を紹介します。(業界と職種の両方が未経験の転職の事例です。)
moto:最近だと、介護施設で管理栄養士をしていた人が、食品メーカーに転職した事例がありました。管理栄養士は、職場を変える転職をする人が多いですが、食品を作るメーカーに転職することで大きく年収をあげることができていました。
現場で調理をこなすだけでなく、その上流の食品を提供する側に回ることで、現場の経験を活かし、転職したのです。
参照元:MONEY PLUS
この事例のように今までの経験やスキルを活かしたうえで、どんな職種なら転職できるかを知ることができれば、自分が選べる仕事の幅も年収の上げ幅も広がります。
なお、一般的には以下のような職種は各業界で共通して年収が高い傾向があります。参考にしてみてください。
- 専門職:コンサルティングファーム・専門事務所・監査法人
- 企画/管理系:内部監査、知的財産・特許、経営企画・事業企画、法務
- 技術系(電気/電子/機械):先行開発・製品企画、プロジェクトマネージャー、回路・システム設計
- 技術系(IT/通信):プロジェクトマネージャー、プリセールス、ITコンサルタント 等
③ 年収が高い会社に転職する
比較的年収が低い業界であっても、大企業や高成長を続ける企業に転職する場合は年収水準が高い傾向があります。
実は、私の2度目の転職がまさにこれに当てはまります。2度目に転職した企業は、業界全体としてみると年収水準はそれほど高くありませんでした。
ですが、日本を代表するような大手企業だったので、業績好調で毎年売上を伸ばしており、資金も潤沢。従業員数も順調に増やす余裕がある会社だったので福利厚生も充実しており、年収水準が高い会社でした。
転職で年収が上がった人の交渉術
ここまで転職で年収を上げるための大原則について説明してきましたが、とはいえ基本的な企業のスタンスとしては、人件費にかかるコストはできるだけおさえたいというのが本音。
このため、転職先での年収は前職の年収をベースとして検討されます。つまり、多くの場合は転職しても前職並みの年収に落ち着くことがほとんどです。
①応募先の年収相場を理解しておく
求人の募集要項には「想定年収」がレンジで記載されている場合が多いです。
年収を上げることにこだわるのであれば、この想定年収が現在の年収より低い場合には始めから応募先の候補から外すのが賢明です。
実際に企業と年収交渉する場合にも、この想定年収のレンジを上回る金額で交渉しようとしても、大抵は無駄な努力に終わります。
②希望年収の根拠を説明できるようにしておく
先述のとおり、基本的には現在の会社での年収が転職先の年収を決めるときの基準になりますが、今年度の年収は年度が終わってみないとわからないですよね。
このため、たいていの場合は前年度の年収が基準になることが多いです。
そこで、まずは前年度の年収について説明できるようにしましょう。会社の勤怠などの人事ツールなどから前年度の源泉徴収票を内訳を含めて確認することができます。
そして、ここからが交渉のポイントです。ここで調べた前年度の年収に対して、このまま今の会社に勤めた場合の今年度の年収を具体的に想定します。
想定した今年度の年収の根拠を示したうえで「今年度は○○円くらいまで昇給しそうなので、転職後の年収もそれと同等、あるいはそれ以上の金額を希望している。具体的には○○○万円が希望です。」と交渉します。
とはいえ、ここではどんな根拠を示せばいいのでしょうか?
イメージしづらいと思うので、具体例を紹介します。私が交渉したときは、現職で今年度の年収が上がりそうな根拠を以下のように説明しました。
✓年収交渉で私が使った材料
- 今年度からポジションのグレードが上がった
- 今年度から語学学習の補助を受けているので実質年収が上がった
- 今年度は大型案件の対応により残業時間が月○時間増えている など
ちなみに、その時の転職活動では「よいご縁があれば転職したい」と企業に伝えていたので、企業側も「年収を下げてまでは転職しないということだな」ということを理解していくれていたようでした。
③他社の選考も同時に進める
②のように説明できれば企業に対しても十分説得力があると思うのですが、転職で年収を増やすためにはもうひと押しあると、さらに年収UPの可能性が高まります。
それが、他社の選考状況です。あなたを採用したい企業にとってはライバルの存在ということになりますね。
ライバル企業がいる場合、企業はライバルの提示額を気にします。そして、ライバル企業よりも高い年収を出すことによってあなたを獲得しようとします。
このため、スケジュールをうまく調整しながら転職活動を進めることで、複数の企業の先行を同時進行するのがおすすめです。
具体的な方法は以下の記事でも解説しているので、詳しく知りたい場合は読んでみてください。
自分で年収交渉しないのが基本
とはいえ、前章のように「自分で年収交渉できるか不安」「自信がない」と思ってしまいますよね。
私は3度も転職しているので3回目にはさすがに慣れてきたというのもあったのですが、初めての転職のときは、とてもじゃないですが企業に対して自分から交渉なんて厚かましいことできませんでした。
でも、年収交渉は自分でしなくても大丈夫。むしろ自分で交渉せずに年収UPしている人の方が大半だからです。
企業との年収交渉は転職エージェントに任せるのが一般的。
そして、転職エージェントとしてもあなたの年収が上がったほうが企業からより多くの成功報酬を稼げるので、できるだけ年収が上がるように頑張ってくれます。
ただし、転職エージェントとしても何も材料がなければ年収交渉も説得力のないものになってしまいます。
このため、前章でご紹介したように前年度の年収実績と今年度の想定年収の根拠を転職エージェントに情報提供してあげるのがおすすめです。
なお、転職エージェントの場合も一社だけではなく、複数の転職エージェントを同時に利用することで年収UPの確率がさらに高まります。
以下の記事で具体的に私が未経験の転職で年収UPした過程を詳しく説明しています。
まとめ
転職で年収を上げるには、転職で年収を上げるための大原則に沿ったうえで、現在の自分の年収について整理しておくことが必要です。
具体的なステップを再度まとめると以下のとおりです。
- 応募先の年収相場を理解する
- 希望年収の根拠を説明できるように準備する
- 複数の転職エージェントの利用と複数の企業の選考を同時進行する
ここまで準備できれば、年収UPの転職にかなり近づけるはずですよ。
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